どうもです。
さて、SDL Trados Studio 2015 SR2 がリリースされました。何か大きな変更点がないか、リリースノートを眺めていたところ、次のような記述がありました。ターゲットが日本語の場合のクリーンアップ処理が変更されたようです。
Enhancements to processing white spaces when using Japanese as a target language. As a general rule and as before, a space at the end of the segment is removed. However, a space is added or kept after the following characters: single-byte colon, semi-colon, question mark or exclamation mark. Studio makes sure that the space between the segments is kept after these characters.
つまり、文末に半角のコロン、セミコロン、疑問符、感嘆符が存在する場合に、末尾のスペースの扱いが変更されます。ピリオドは除外されています。
Tradosを長く使用している方は既にご存知のとおり、1 行の中にコロンが含まれている次のようなセグメントでは、コロンの末尾にスペースを入れる必要がありました。
セグメント分割前の原文
Subject: How to Translate
Trados でセグメント分割すると次のようになります。
セグメント 1 原文
Subject:
セグメント 2 原文
How to Translate
この場合の正しい翻訳方法は次のとおり
でした。わかりやすくするために、末尾のスペースはアンダーバーに変更してあります。
セグメント 1 訳文
題名:_
セグメント 2 訳文
翻訳方法
翻訳時に正しく処理していると、次のようになります。
題名: 翻訳方法
スペースを入れないと、原文のセグメント間のスペース消去の原則により、クリーンアップ後に、次のような状態になります。
題名:翻訳方法
----------
では、今回の仕様変更後の動作を確認するために、末尾のスペースを 0 ~ 5 個まで変化させて、以前のクリーンアップとの違いを確認してみましょう。
また、今回は対象外となったピリオドが含まれる原文 (
英語のまま維持する文) もテストします。
原文:
© 2016 78-banana. All rights reserved.
セグメント分割後:
© 2016 78-banana.
All rights reserved.
では、先ほどの文も含めて、末尾スペースを 0 から 5 個まで変えてクリーンアップしてみましょう。
Trados 2007 + Word
題名:翻訳方法
題名: 翻訳方法
題名: 翻訳方法
題名: 翻訳方法
題名: 翻訳方法
題名: 翻訳方法
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このように作業時のスペースがすべて正しく反映されます。今まではこれが普通でした。
SDL Trados Studio 2015 SR2
題名: 翻訳方法
題名: 翻訳方法
題名: 翻訳方法
題名: 翻訳方法
題名: 翻訳方法
題名: 翻訳方法
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コロンの場合は、0 ~ 2 個までが適切な結果になります。
それ以降は、スペース個数マイナス 1 のスペースが残ります。
ピリオドの場合は、スペース 2 個の場合が適切な結果になり、それ以外は不適切な結果になります。基本的に、スペース個数マイナス 1 のスペースが残ります。スペースを 2 個入れなくてはならないのはトリッキーすぎますね。
【重要】翻訳者が行うこと:
自分でクリーンアップまで行う方でない限り、
作業を変更する必要はありません。クリーンアップするバージョンが問題なので、エージェントさんからの指示がない限り、翻訳者は以前と同様の処理をします。
私の考え:
英文をそのまま残す場合に、スペースを 2 つ挿入するというのは翻訳者に要求できることではないと思います。スペースマイナス 1 という規則はトリッキーすぎて、少し「うーん」という感じです。この辺りは、エージェントさんが内部で処理すべきことかなぁ。個人的には、そのまま反映される昔の動作のほうが好きです。
いろいろと書きましたが、何社かのエージェントさんは昔から独自に対処しているので、何も気にせず作業できまするするするりん。