ラベル 雑文 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 雑文 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2017年5月19日金曜日

ハイフンの重箱の隅

どうもです。ハイフンについて重箱の隅をつついてからペロペロしておこうと思います。

受注した案件のスタイルガイドに、次のような指示があった場合、皆さんどのように処理しますか。

「減算記号にはハイフンを使ってください」
「減算記号には半角ダッシュを使用してください」

言語を仕事にしている会社が書いてよい文章ではないですね。いろいろと問題のある記述ではありますが、まぁほとんどの場合、スタイルガイドの意図は「ハイフンマイナス」という記号です。つまり、キーボートで直接入力できるハイフンマイナス (Hyphen-Minus、\u002D) のことです。


「-」ハイフンマイナス (Hyphen-Minus) \u002D
キーボードの英数モードで直接入力できる ASCII 文字で、ハイフンとマイナスの両方に使用されてきました。事実上の "標準ハイフン" および "標準マイナス" です (少なくとも私の分野では)。

これだけなら、「ハイフン = ハイフンマイナス」と脳内変換すればいいのですが、厄介なことに、「ハイフン」という名称の記号もあります


「‐」ハイフン (Hyphen) \u2010
なんでこんな名称にしたのでしょう...。MS IME では、「ハイフン[全]」表示を選択して入力できます。

名前こそハイフンですが、ASCII には含まれていません。そのため、使用できない場面が多々あります。制限の多い組み込み機器の UI なんかには使用できないんじゃないかな。まぁ、IT 系で「ハイフン」と書かれている場合は、通常、ハイフンマイナスのことです。

ですが、英文の DTP を海外に発注し、DTPer に「減算記号はすべて Hyphen に変更」と指示して、\u2010 を使用されても文句は言えません (実際は起こらないと思いますが)。

まぁ、「ハイフン」という言葉を \u2010 のつもりで記載しているスタイルガイドはないと思いますが、他の演算記号が全角になっているなど、すごく怪しい場合は問い合わせた方が安心です。


ハイフンの種類

次のように、似ている記号がたくさんあります (赤がハイフンマイナス)。
-‑⁃
\u2010\u002D\u2011\u2043


正規表現

ハイフンマイナスの亜種 (というか類似記号) は、以前紹介した次の表現で検出できます。再び説明しておくと、基本ラテン語ブロックと、標準的な日本語関連ブロックから外れた文字を検出する正規表現です。半角カタカナ、全角数字、全角記号、特殊記号、日英以外の文字が検出されます。

基本ラテン文字に存在する記号の全角バージョンは、基本的に特殊文字として扱われます。例外にする場合は、赤字の部分に追加してください。日本語固有のかぎ括弧類は標準の範囲に含まれています。

.NET
[^\p{IsBasicLatin}\p{IsCJKUnifiedIdeographs}\p{IsHiragana}\p{IsKatakana}\p{IsCJKSymbolsandPunctuation}™®]

Perl
[^\x{0000}-\x{007F}\x{4E00}-\x{9FFF}\x{3040}-\x{30FF}\x{3000}-\x{303F}~™®]

ハイフンマイナス以外の類似記号がすべて検出されます。ダッシュは種類を問わず、すべて検出されます。日本語には形が類似している「ー」(長音) や「一」(いち) が存在し、また読みやすさに貢献する場面を見たことがないので、私は基本的にダッシュを使用しません。許容する人は赤字の部分に追加する必要があります。

それなりのボリュームの訳文やメモリに使ってみれば、標準以外のハイフンの混在が意外に多いことに気づくでしょう。

ちなみに私は、どのような案件に対しても、この正規表現または改変版を必ず使用しています。


この記事で言いたかったこと

「世の中の記号をすべて正式名で呼べ」と主張しているわけではありません。日常生活やブログで、ハイフンマイナスをハイフンと呼んでも、正直、どーでもいいんです。

ただし、翻訳という生産物を作成するためのワークフロー内では許されないと思います。

冒頭に記載した「半角ダッシュ」ですが、正直なんのことやら。en Dash も em Dash も表示は半角です。Hypehn-minus の社内俗称なのか、各種ダッシュ (‒、–、—、―) のいずれかを指しているのか、さっぱりわかりません...。

類似記号の多いハイフンやマイナスなどの指示を記述する場合は、翻訳者に誤解を与えないよう配慮する必要があります。つまり、実際の文字を記載するか、コード ポイントを併記する必要があります。


2017年5月12日金曜日

常用漢字表の趣旨について

記事の目的

常用外漢字を排除したために、読みにくくなっている文書をときどき見かけます。常用漢字表についての誤解があるようですので、記事を 1 本書いておこうと思いました。

政府の公用文なら、まぁ、常用外の漢字や用法を厳しく制限してよいでしょう。ただし、一般企業の場合は、この表に基づきながらも、「業界の常用」を考慮して賢明な判断を下す必要があると考えます。

常用漢字表の趣旨

常用漢字表の「前書き」にある 5 項目をよく読んでいただければ、この表の趣旨がわかると思います。いや、読まないだろうから引用しておきます (笑)。強調したい部分をハイライトしていますが、全部読んでくださいね。

===引用開始===
  1. この表は,法令,公⽤⽂書,新聞,雑誌,放送など,⼀般の社会⽣活において,現代の国語を書き表す場合の漢字使⽤の⽬安を⽰すものである。
  2. この表は,科学,技術,芸術その他の各種専⾨分野や個々⼈の表記にまで及ぼそうとするものではない。ただし,専⾨分野の語であっても,⼀般の社会⽣活と密接に関連する語の表記については,この表を参考とすることが望ましい
  3. この表は,都道府県名に⽤いる漢字及びそれに準じる漢字を除き,固有名詞を対象とするものではない。
  4. この表は,過去の著作や⽂書における漢字使⽤を否定するものではない。
  5. この表の運⽤に当たっては,個々の事情に応じて適切な考慮を加える余地のあるものである
===引用終了===

上記の 1、2、5 からわかるように、技術文書に対して「常用漢字以外は絶対排除」という処理を適用することは、この表本来の趣旨に反しています。エージェントさんであれば「原則として常用漢字表に準拠」ぐらいの指示が適切でしょう。

個人的な修正方針

原則として常用漢字表に準拠していますが、状況に応じて読み手のために例外を設けています。では、私が実際に翻訳をどのように修正しているのか示します。

  • 読みやすさに影響しないのであれば修正します。常用外の用法、たとえば「即ち」「未だ」「し易い」「し難い」「益々」などは、容赦なく修正します。また、単発で重要性の低い常用外の漢字も修正します。
  • 理解の妨げになるような修正はしません。「同梱のネジ」を「同こんのネジ」にすることはありません。そのままにするか、「付属のネジ」のように書き換えます。「綴じた文書」も「とじた文書」にはしません。「綴」は印刷/製本業界で広く許容されている常用外漢字です。
  • 法的な概念を持つ言葉は修正しません。たとえば「瑕疵」はそのままにします。その他の文脈では「瑕疵 (かし)」「不具合」「欠陥」にするかなぁ。でも、「かし」にすることは、まずありません。

読み手を第一に考える必要があります。クライアントさんとよく相談して判断してください。申し送りに含める方法もあります。常用外を使用して読みやすくなるなら、あっさりと受け入れると思います。

企業側の対応例

常用漢字表に従うことをスタイルガイドに明記している某 IT 企業のサイトで、「脆弱性」と「ぜい弱性」、「梱包」と「こん包」を検索してみました。

脆弱性: 47,700 件
ぜい弱性: 43 件
梱包: 697 件
こん包: 0 件

このように、常用漢字を指定している企業でも、臨機応変に対応しています。

まとめ

自分の場合は、常用外漢字を排除対象としてみるのではなく、高価な素材とみる方がしっくりきます。たとえばレアアースなんか、代替素材で同等以上の性能が出るのならどんどん切り替えると思います。逆に性能が落ちてしまうのであれば、慎重に考えてから判断しますよね。



2015年2月23日月曜日

最後の更新から2年がすぎました

なんか、あっという間ですね。
まぁ、元気にやっています。

生活に大きな変化が起きたのもそうですが、ブログを書こうとするときに考え込みすぎたのが原因かも。ついつい、「こんな記事でいいのかな」とか考えちゃって。。。

決して、下のネコのようにゴロゴロしていたわけではありませんw



A cat






2012年7月6日金曜日

「~たり、~たり」について真剣に考えてみた

私は「たり」があまり好きではなく、ほとんど使用しないのですが、たまに「たり」を単独で使用すると、「『~たり』は必ず組み合わせて使用してください」と指摘を受けることがあります。


私の推測が間違っていなければ、おそらく、Microsoft Word の校正機能に多くの方が毒されています。この校正機能を誰が監修したのかは知りませんが、すべてにあてはまるものではないと以前から感じていたため、この記事を書きました。


「~たり」を組み合わせて使用することが推奨されるのは、同種の動作、関連のある動作、反対の動作の繰り返しであり、次のような例があると思います。


○ サンドバッグを殴ったり蹴ったり (同種の動作)
○ 見たり聞いたりして調べる (関連のある動作)
○ 右手を上げたり下げたり (反対の動作の繰り返し)


したがって、次のような文章を見つけた場合は、間違いとみなし、上記の緑ハイライトのように修正して問題ないと考えます。


△ サンドバッグを殴ったり蹴る
△ 見たり聞いて調べる
△ 右手を上げたり下げる


技術ドキュメントでは、次のような修正が行われると思います。


△ このボタンで、フロント パネルを開いたり閉じます。
○ このボタンで、フロント パネルを開いたり閉じたりします。


ただ、個人的に「たり」は冗長に感じられるため、連結できる類似動作であれば、普通は次のように処理します (二重丸は、個人的に好きな処理というだけで、権威のある方が推奨しているわけではありません)。


◎ このボタンで、フロント パネルを開閉します。

さて、「たり」の単独使用は、どんな場面で許容されるのでしょうか。ほとんどの辞書では、ある動作や状態を例示して類推を示す副助詞的な単独使用 (「したりする」、「したりしたら」など) を許容しているようです。副助詞的使用の例を次に示します。


○ 過剰摂取により、めまいが生じたりすることがあります。

これは確かに許容されていますが、前述のように私は「たり」があまり好きではないので、次のように副助詞「など」で代用しています。

◎ 過剰摂取により、めまいなどが生じることがあります。

では、複数の動作/状態を含む文章で単独使用が許容されるのは、どのような場合でしょうか。個人的には、最初の動作/状態とその後に続く動作/状態との類似性や関連性が低いときに、許容されると感じています。つまり、類似性が低すぎて、初期の「たり」が類推とみなされ、そこで完結してもいいように感じられる場合です。
次に、3 つの動作が含まれる文章を示します。


○ このダイアログから、フロント パネルを開いたり、閉じたり、装置を停止したりできます。


ここで、最初の 2 つの動作は連結して表現できる動作なので、とりあえずまとめてしまいます。


○ このダイアログから、フロント パネルを開閉したり、装置を停止したりできます。

さらに、最後の動作/状態の類似性が低く見えるので、2 番目の「たり」を削除し、「すること」を使用して体言化します。私は、2 番目の「たり」を削除するためには、体言化して独立性を高めることが必須であるように思えます。この処理を推奨するクライアントも多く存在します。


○ このダイアログから、フロント パネルを開閉したり、装置を停止することができます。


ここまで書いておいてちゃぶ台をひっくり返すようですが、私が実際に最も使用するのは次の文章です。

◎ このダイアログで、フロント パネルの開閉、装置の停止などの操作を実行できます。


ま、色々な意見があるとおもいますが、クライアントの比率として次のように感じます。

10%: 「たり」は必ず組み合わせれ
40%: 「たり」の組合せ使用は避けて、別の表現を使用せい
40%: 「たり」を使用する場合は「~たり、~することが」を使用してーな
10%: どうでもいい。そもそも訳文のチェックなんてしねーから

あっちょんぶりけつ

2011年12月30日金曜日

2011 年を振り返って

Tokyo Tower 2011


今年最期の日に、何か短く書いておこうと思いました。


悪い出来事ノート

世界的に注目されることになる災害と事故がありました。亡くなられた方のご冥福をお祈りします。

事故関係の悪質な報道やデマがありました。


良い出来事ノート

喧嘩しませんでした。

殴ることも殴られることもありませんでした。

良い友人とおいしい食事ができました。

友人にお子さんが誕生しました。

普通に生活できる収入がありました。

写真をいっぱい撮りました。

その他書き切れないほどいっぱい良い出来事がありました。



2012 年が良い出来事だらけになりますように。



2011年4月6日水曜日

理系の思考と苦悩

理系に求められるのはデータ、その解析、そして結論です。今回の事態でいろんな場所で感情的な混乱が見られますが、それとは正反対の位置を堅持するのが工学に携わるものの立場です。

そう、「なんとなく怖い」とか言うと馬鹿にされる世界です。

基本的にデータから得られる結論を相手に示すことになるんですが、動揺している人にデータを示すことで、感情を逆なでしてしまうこともあります。そのため、匿名のネットで混乱をおさめようとしてデータを示して「大丈夫」と発言すると攻撃されるのです。

別に私は原発推進派でもないのに、掲示板でデータに基づいたことを言うと「東電の社員」とか言われる始末です。パニックになっている人を落ち着かせようとすると「また東電の社員がきたよ」と感情で反論されとガックリです。別に東電の擁護をしているのではなくて、データを提供しただけですよ?

色々なスパムを受け続けながらも、理性あるデータを提供し続けている物理学者を何人か見つけましたが、本当に感心しています。


それでもまぁ、私が気になった項目に対する意見を少し書き残しておくのは意味があると思います。理系の考え方 (というか私の考え方といったほうがいいか) を少しでもわかってもらえれば幸いです。



◆ 「で、放射線のいったい何が体に悪いのよ」に対する意見 (回答?)

えーと、まー、基本的に空間を伝わる性質を持つものが (光とか電波とかひっくるめて) 放射線で、それらを放射するものが放射性物質です。放射能とは放射性物質を放出する能力のことです。

放射線がただ体を通過していくなら何の問題もありません。通過する際に体内の酸素の電子を弾き飛ばします。その結果活性酸素が発生し、それが大量な場合は細胞を傷つけることになります (まぁ正確に言うと酸化物が生成されてるんですが)。

日焼けは軽症の放射線やけどです。日焼けって太陽の熱で焼けているわけじゃありません。紫外線も単に波長が長めなだけで、放射線として定義できます。放射線で活性酸素が増えて細胞の酸化が進み、燃焼 (火傷) しているわけです。ただ、波長が長いので、簡単に通過することはできず、影響は肌の表面付近に集中します。

そして放射線の波長が短くなるにつれて透過力が高まり、体の内部に影響を与えることになります。

ところで、物理学者も医者も致死線量や期間を断言できないことにいらついている人がいますが、元気な人と、新陳代謝が落ちている不健康な人とではまったく影響が異なるからなんです。インフルエンザで必ず全員死ぬかどうかを判定しろと言っていると同じです。感染症と同じで、弱い人が影響を受けます。ぶっちゃけ、健康で栄養素をしっかり採取していて運動もしている人はかなりの放射線に耐えることができます。

人間は、長い間 (原子力が誕生する前も) 放射線と共存してきました。たとえばバナナなどはガイガーカウンターに反応します。これは成分中のカリウムの一定量が放射性同位元素であるためです。そう、宇宙の誕生やら星の爆発やらは核爆発のようなものだったので、半減期が長いものはそのまま残っているんです。

その必須ミネラルのカリウムを摂取するごとに人間はずーっと被曝してきましたし、体内の同位元素から今も被曝し続けています。その程度であれば人間の体は対応してあっという間に再生できるので、バナナを10本食っても死ぬことはありません。放射線火傷を起こすこともありません。単なる食べ過ぎで腹を壊す事はあるかもしれませんが。

生き抜きたいなら通常の健康維持が一番大切です。
あ、別に放射能が安全だと言っているわけではないです。念のため。


◆ 「入浴剤の投入かよw ワロタ。ばかじゃねーの」に対する意見

もういろんなところで随分とダメージを受けていたので書き込みませんでした。でも、着色に関して非常に筋の通った方法なんです。まず、入浴剤は人の肌に触れるものとして販売され、毎日のように環境に排出されているので、環境インパクトがないか非常に少ないと考えられます。また経口急性毒性試験も済んでいます。他の塗料などを使うよりずっと安全ですし、簡単に大量に手に入り、大量に着色できます。

また東電が「入浴剤」と言っても、実際に販売されている入浴剤を使用したものではない可能性があります。つまり硫酸カルシウム、酸化チタン、黄色2号など、オバチャンたちが頭をかかえるような成分名を発表するより説明が簡単です。

むしろ、環境インパクトを考えていないペンキなどを使用していたら、私は東電の技術者を罵ったと思います (まぁ、放射能が漏れているときにどうこういってもしょうがありませんが)。


◆ 「放射能なんか放出して他の国に補償をもとめられるだろーが」に対する意見

えーと、現在の環境中の人工放射能のほぼ全部は核実験国によるものです。少なくとも核兵器保有国が日本に何らかの補償を求めることはありません。排出した放射性物質の量に応じて補償をし始めたらアメリカ、イギリス、フランス、ロシア、中国、その他から莫大な補償金を得ることができます。でも政府が無知だと補償に応じるかもしれません。

あと、アメリカの西海岸の人が「ここは危険だ」とかCNNの掲示板に書いていましたが、アホ過ぎて笑ってしまいました。ビキニ環礁で60数発の核実験やっておいて何を言ってるんでしょう。現在の量で西海岸で健康被害が発生するのなら、ビキニ環礁の水中核実験で太平洋沿岸全域が壊滅してますよ・・・。日本人はその頃も、あんたらが垂れ流していた放射性物質入りの魚食ってたんですよ・・・。


◆ 「1億倍の放射能が検出されたんだって。日本オワタ」に対する意見

ていうか、この報道を受け入れて納得して怖いと思った時点で理系失格です。ツイッターに投稿してもう削除してしまいましたが、書いておきます。

拡散を前提とした環境インパクトを語るときに1リットルあたりに何倍の放射能があるかなんて関係ありません。こういう時にセンセーショナルな数値だけを提示するメディアは悪質です。テレビないから知らないけど、「1億倍」はメディア側で「これはウケる」とか換算して記事にしたんでしょうか。1億倍の放射能が1リットルと1000倍の放射能を含む水が10万リットル (100トンかな?) では、環境インパクトは同じです。総量がわからないと意味がありません。

他の要因として、以前の方策で流量が少し下がっている場合、滞留時間が長いので放射能の値は増加すると思われます。だから状況が好転してるのか悪化しているのか科学者は判断できません。科学者にとっては「ゴミデータ」で、一般の人には心労を増やすデマに近いデータでしかありません。まぁ、今の時点でということですが。


◆ 「でいったい今の状況はどうなのよ」に対する意見

国連の UNSCEAR 2000 Report 読んでください。英語ですけど、一番信頼できるデータ資料です。このレポートの過去の放射性降下物の各グラフと現在の状況を比較してください。
正直、各国がバカスカ核実験やっていた時、つまり私が生まれた頃より全然ましです。

「そんなの信頼できねー」という人は何なら信じるんでしょうか・・・。過去の被害統計に関して「データには現れていない死者が数千万人いる」とかいう団体がいると耳にしましたが、それって私が「放射能で寿命が延びた人が数千万人いる (今思いついた嘘です)」とデータなしで言うのと同じじゃないでしょうか・・・。関係ないですけど、日本は世界一の医療放射線被曝国です。


◆ 「東電の社員でしょwww」に対する私の意見 (ムカつく)

違いますwww。関わったこともありません。なんでこう、匿名だと人は攻撃的になるんでしょ。

自動車関連企業の研究開発職、医療検査企業、国際物流企業、某省の情報公開室、日本のIT企業、翻訳業の流れです。あ、キーパンチャーもやってたわ。派遣もやったしバイトもした。なんかいろいろやった。浅く広く知識が増えた。

私の立場は・・・核兵器は絶対反対。原発は他の選択肢が可能になったら停止していくべき。今すぐ全部止めろと言っている人は感情的すぎて同意できません。


なにか選択肢があるかなぁ、とキチンと考えると・・・


水力発電: 今回のことで進めやすくなると思いますが、絶対反対する人が出てくると思います。

太陽光発電: パネルの効率を上げればなんとかなる気もしますが、エネルギー保存の法則もあるので最後は面積勝負になります。広大な設備が必要です。あと、昼にだけ発電できてもしょうがないです。

風力発電; そりゃあ理論的には全国の電気をまかなえますよ。ただ私の知っている風車は、1本で数世帯から数十世帯しか対応できません。企業による消費も考えて数千万本を建てる必要があると思いますが、維持していくことはできるのでしょうか・・・。まぁ、私の知らない高効率の風車があれば可能かもしれません。あと、いつも暴風が吹き荒れている地域とかがあれば。(追記: 故郷で稼働している風車で計算していましたが、1基で千世帯分を発電可能な風車があるということです。本数を1桁ぐらい減らすことができるかもしれません)

海洋温度差発電: インドは1MWの試験設備を稼動させているようです。日本が誇るウエハラサイクルもあります。日本では沖ノ鳥島が最適なようで、都知事が計画を立てていますが、中国ともめている場所なので実験は進んでいません。

地熱発電: 富士電機システムズが世界シェア1位です。少し前に140MWの設備をニュージーランドに納入したようです。良い場所があればかなり希望が持てるんじゃないのかな。

スターリングエンジン: うーん。これも温度差機関ですが、大規模は難しいんじゃないかな・・・。



まぁ、原子力をなんとか制御してきた技術があるんだから、知恵をしぼって何か別の発電技術が開発されるような気もします。


で、私は明日も普通の生活を継続するのでしタメゴロー。

2011年4月5日火曜日

今回気になったデマについて

今回の事件に絡んだ悪質なデマについて書きとめておきたいと思います。



◆ 助けを求める東京都内の住所入りのツイート

ツイートできるのなら、警察に電話するなり、最初に受け取った人が警察に連絡すればいいだけです。実際は、私怨のある人の住所を晒した犯罪者でした。過去ツイートを見ればいかに変な人かすぐにわかりました。


◆ 今回の放射能の量では東京には奇形児しか生まれなくなるとかいうツイート (数秒間隔)

RTされてきたんですが、アカウントを見てうんざりしました。3種類のツイートを延々と繰り返しているだけです。過去ツイートと引用URLを確認すると、過激派の人でした・・・。そんでもって過激派主催の反原発デモの参加者を募っていました。参加した人がいないといいのですが。こういう人たちは反原発の邪魔にしかなりません。


◆ もっともらしい計算式を示して東京がいかに危険かを訴えていた個人ブログのリツイート

専門家でも何でもなく、計算式も間違っていました。過去記事を見ると反政府活動をしている方でした。そう「自衛隊は違憲」とか「打倒天皇制」とか「○○派粉砕」とか叫ぶ団体の人でした。個人ブログをリツイートするときは、一応過去記事を確認したほうがよいと思います。後で恥ずかしいおもいをします。


◆ 東電の陰謀説を唱えるツイート (数秒間隔)

投資をしている人だったので、多分、東電を空売りでもしてるんじゃないかな。ただただヒステリックに同一文を繰り返すだけでした。スパム投稿をする人にまともな人はいません。


◆ 「○○村で次々に餓死者がでています。助けてください」というツイート

地震後2日ぐらいだったと思いますが、普通は餓死しません。その名前の村は合併でとっくに消滅してました。もちろんデマでした。


◆ 「外国人盗賊団が暴れまわっていて、女性がレイプされている」というツイート

携帯を使える環境にあるなら、最初に警察に連絡してください。これは人種差別を助長する犯罪です。もちろんそんな事実はありませんでした。


問題は、出処のわからないツイートを簡単にリツイートしてしまうことです。ツイッターではデマの問題がさんざん問題視されているのに、同じことを繰り返しています。

ツイッターの場合は過去ログで、ブログの場合は過去記事で、どういう思想を持っている人なのか、信頼できる人なのかが大体わかります。

ツイッターは半匿名といえる所まで到達しているから価値があります。ほぼ完全匿名の遠いツイートを見境なく受け入れることで、匿名掲示板と同じになってしまいます。私も注意していきたいと思います。

2010年11月3日水曜日

忙しいけど

今はちょっと忙しいけど、やはり休息は必要です。

翻訳者になりはじめの頃は、もう朝から晩まで、土曜日も日曜日も働いていました。それこそ「これ以外に道はない」てな感じで。

でも体や精神に無理をかけ続けると、しっぺ返しを食らうんですよ。

体にも精神にも、休息というご褒美が必要です。私がこんな簡単なことを実践できるようになったのは 40 歳過ぎてからですw


ずっと更新しないのもどうかと思うんで、雑文書いてみましたすまにあデビル。

A plant
ずっと咲き続けることができる花はありません
咲くためのエネルギーを蓄える期間も必要です

2010年10月21日木曜日

今後の予定

まぁ、ちょっと仕事に飽きたので、ブログをセコセコ書いているわけですw

ブログは今までの内容でよかったのかなぁなんて思い始めています。写真記事は別にして、翻訳ツールなどの説明が優しくなかったかな。自分が翻訳支援ツールを使い始めたのは随分前ですが、当時の公開情報の少なさに辟易したものです。

なので、Trados なんかについては、当時の自分が喜ぶような内容が書ければベストかななんて思います。具体的には、トラブルシューティングやステップバイステップの操作説明かな。本当は、CAT ツールの開発元が無料で提供するべきものなんですがね。

まぁ、予定は未定ですーすースーダラダッタ。

Flower
花と呼んでいいのかな?

2010年10月18日月曜日

ブログを長く続けるために

えーと、保留している投稿が 10 本ほどあるのですw ジャンルは、翻訳、エッセイ、愚痴、ツールなどさまざまです。

書き終えてから、「うーん世のため人のためにならぬ」とか考え始めて保留。

別に、世のためになる文章は期待されてはいないのに、[公開する] ボタンを押せない投稿ってあるんですよね。よく考えると、Twitter でも同じことがあります。

長く続けるためには、もう少しフリーダムになって、全裸で好きなことを書きまくったほうがいいんじゃないかなw 公開して後悔したら後で削除すればいいんだシュレディンガーの猫。


cat
吾輩はいつも全裸じゃ



2010年10月16日土曜日

フリーランス翻訳者について

友人の友人が翻訳に興味があって、ぜひ翻訳業になりたいということで、自分のエージェントを紹介したことがあります。どこにでも転職できるような語学の経歴を持っている人だったんですが、トライアルに不合格。少々気まずかったです。

ある程度の翻訳のルールを知らないと、英語力があっても失敗するという例でしょうか。あと、独立するという覚悟も足りなかったかもしれません。

フリーランス翻訳者になるということは、転職ではなく独立なので、それなりの覚悟が必要です。フリーランスの語源は、傭兵団にも入らずひとりで戦う兵士。所属のない兵士は、すべてを自分で片付けなくてはなりません。まぁ、金次第でどちらの味方にもなるポリシーのないやつとも言えますがw

Cat
翻訳は英語できるだけじゃだめだにゃー
私が同業者と一緒にいて安心するのは、しょっちゅうときどき辛い目に遭いながらも困難を乗り越えて、翻訳を続けてきた匂いを感じるからでしょうか。

格好良く言えば、フリーランスが戦場で出会い「よう」という感じかな。自分が経験したことを、この人も経験しているんだろうなという意識。

ツイッターでも、気持ちがわかりすぎるので翻訳関係の話題では「あるある」の連続。一致しないことといえば、「たい焼きの尻尾にあんこが入っているべきか否か」という翻訳とは関係のない話題ですw

今日は少しいいこと言った感じだニャロメ。

2010年10月9日土曜日

迷子のサイト

なんか、不まじめな教科書っぽいブログになってきたので、てきとーに雑文を。

実は、自分のサイトを真面目に (?) 作成するのは 2 回目です。最初は、30代の頃にアメリカの無料サーバーを使用して、個人事業主でもないのに翻訳事務所のサイトを立ち上げました。

「こんな、あからさまに無料の Web サイトに仕事なんかこねーだろ」とたかをくくっていたら、いきなりアメリカのソフトウェア会社から引き合いがきたので、もうびっくりしてしまいました。結構デカイ会社です。もうね、テンパって「すまぬ、今忙しいんでできない」なんて回答してしまいました。そしてサイト放置w

翻訳はじめた頃は、生意気盛りで「なんでもやってみせるぜ」みたいなノリで意気込んでいたんですが、実際は基礎もなく、「CAT って何」という有様でした。商取引の知識もありませんでした。正直、この仕事を引き受けなくてよかったと思います。

-----

と、懐かしい話のつもりで、ここまでブログを書いていて、「サイトはもう消えてるよね」なんてググってみたら、今でも生き残ってるんですよ!!! 無茶苦茶たまげましたよ。

私の出来心で作成したサイトが生き残ってるんですよ! 10 数年の間、問い合わせしても返事が来ないサイト。資源の無駄、ディスク領域の無駄、インターネット上のゴミ。

パスワードなんだっけ・・・、と思いながら当時の自分のパスワード パターンを次々に入力してみると、見事にログイン、そしてめでたく全消去 (今さっき)。

いや、なんか、罪悪感がありますね。今日は自分の罪をひとつ消せたような気がします。記事の題名も「ちょっと一休み」から「迷子のサイト」に変更しました。

こうして考えてみると、インターネット上にはオーナーが既に亡くなられたサイトが大量に存在する気がします。特に無料の Web スペースなんかは、自動的に消去されることが少ないように思えます。